2024年6月16日第30回楽友三田会定期演奏会が第一生命ホールでありました。14時開演。
前半に演奏した混声合唱とピアノのための組曲「みやこわすれ」は、千原英喜の心に響くメロディーと、香り高い野呂昶の詩が素晴らしく、第二曲のはっか草は、涙を堪えて弾くのが最初は大変な程胸に沁みる音楽。このはっか草の詩をここに紹介したいと思う。
『はっか草』 野呂 昶 詩
つゆ空に浮かぶ
うす緑のちいさな茂み
その中から 煙るように
小さな花が いくつも咲いた
「これははっか草の花」
幼い日 母がその蕾を手折って私に言った
「はっか草のような人になりなさい」と
顔を近づけると どの花でもない
きよらかな香りがした
心が引き込まれる 不思議な香りだった
あれから幾十年 私はひたすら生きて
母はもうとっくにこの世を去った
「はっか草のような人になりなさい」
私はついに そのような人にはなれなかったが
その声だけは
今も私の中で気高く香っている
何度読んでも素敵な詩。。
はっか草のような人って。
どのような人?
さっぱりした香りが切り替えに最適で
一時期ハッカ油持ち歩いてシュッシュって使っていた。ただ、この曲で言うはっか草は少々違うように思う。
はっか草って...
優しく繊細、楚々とし、涼しげ。
四方八方に広がる強い根を持つ植物。
楚々とし、凛とした強さを持った、
爽やかな、はっか草のような人に
なれたら、素敵ですね。